夢のマイホームを買う人と売る人 その2

人生の三大支出とは、「マイホームの取得」「子育て」「老後」である!というのは多くの人は異論を挟まない。

ところが三大支出とはいわれるものの、その性格は大きく異なる。一番の違いは子育て資金の確保も老後資金の確保も、絶対に逃げ出せないし、投げ出せない(悲しいかな、現在の我が国においては、奨学金という制度で子育て資金の確保を免れている人々がいるが・・・)。

ところがマイホームは一度取得しても「売却」してしまえば、そのローンの支払いから開放される。すなわち「やり直し」がきくということである(もちろん住む場所は必要なので、ローン返済とは別のコストが発生するだろうが・・・)。

私は、「マイホーム」と「人生」を引き換えにしない!

その1で示したような手順を踏まず、一番重要なことを省みないでマイホームを購入し、他のライフイベントや日常の生活にストレス・支障をきたしているのであれば、家の売却も考慮に入れて、これからのライフプラン(人生設計)を見直すべきだと思う。

多くの場合、家は数十万円、数百万円では手に入らない。日常生活の中で、数千円や数万円、数十万円(時として数百万円)の買い物はしていても、数千万円の買い物にはめったに遭遇することがない。さらに言えば多くの人は家の購入に慣れていない。マイホームの購入は考えすぎるほど、考えてもよろしいのである。

今の人々にとって不幸なことは、祖父母や両親、あるいは諸先輩方など周りの多くの人々が、遠い将来のイベントまで考えないで、「時が来たから(年頃になったから)マイホームを買う」「消費税が上がるから、その前に買う」「ローン減税があるから買う」「金利が安いから買う」ケースが我が国においては「常識」であり、一般慣習化していることにある。すなわち自分たちの状況さらにはライフプランを考えないで、年収の何倍もするようなマイホーム購入に踏み切るのである。

考えて欲しい。祖父母・両親・諸先輩方の時代は、経済は高度成長しており、取得したマイホームの価格は上昇。そして年齢とともに給与は引きあがり(年功序列賃金体制)、銀行・郵便局にお金を預けていれば10年で2倍、20年で4倍、30年で8倍と勝手にお金が増えた時代である。

すなわち本人たちが意識したか、意識しなかったかは別にして、将来は安泰という大前提があった。その恩恵が期待できないとするならば、夢のマイホーム購入には、事前のライフプランニングが絶対に必要である(もちろん子育て資金の確保も老後資金確保も、場当たり的では、達成できない時代である)。

マイホームは人生の中で最も多くの時間を過ごす場所のひとつ。そしてマイホームの取得には、夢やロマンがある。私はそのマイホーム取得が人生の足かせ、苦痛を伴うものであっては絶対にいけないと思うのである。

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