免疫大事!

 皆さんは、風邪をひいた時に熱が出たり、耳の後ろが腫れたりしたことがありませんか?どうして風邪をひくと、こんな事になるのでしょう?それは、皆さんの体のある働きと関係しているのです。

 私たちの体には、病気を引き起こすウイルスや細菌と言った病原体から、体を守る仕組みが備わっています。この仕組みを免疫と言います。病原体が、私たちの体の中に入ってくると、主に「免疫細胞」と呼ばれる細胞たちが、病原体をやっつけようとして、戦ってくれます。この戦いのときに、私たちの体には、熱を出したり腫れたりします。つまり、熱や体の腫れは、免疫細胞が病原体と戦っている証拠なのです。

 ふだん目にすることのない免疫細胞が活躍することために必要な体の器官、物質、更に免疫細胞を活発にして、免疫力を高める腸内細菌なんかも出てきます。免疫という不思議で素晴らしい体の働きについて、私が学んだ事を書いていきたいと思います。

 体の中では、今この瞬間も免疫にかかわる細胞などが、健康を守るために休みなく活動しています。皆さんも、大切な免疫の働きを知って、より健康的で明るい生活を送っていきましょう。

免疫の基本

皆さんは、「免疫」という言葉は聞いたことがありますか?きっと「聞いたことはあるけど、よくわからない」とか、「なんとなく知っているけど、詳しくはない」という人が多いのでしょうか?免疫は、皆さんの健康にかかわる、大切な体の働きです。ここでは、免疫の基本について、学びましょう。

免疫って何だろう?

そもそも「免疫」という言葉には、どんな意味があるんだろう?「免」というのは「免れる(のがれる)」という意味「疫」「疫病」の意味で、「感染症」と呼ばれる病気のこと、感染症は、「病原体」と呼ばれる微生物が体の中に入って、数を増やすことで引き起こされる病気のことです。つまり免疫とは、感染症を引き起こす様々な病原体から、みんなの健康を守る体の働きのことです。

病原体には大きく分けてウイルス、細菌、真菌、原虫、寄生虫、の5つありそれぞれ多くの種類がいます。それぞれ見えないくらい小さいけれど、実は身の回りにたくさんいます。恐ろしい病原体が身の回りにたくさんいても、感染症にならないのは、皆さんの体の免疫が働いて、病原体から守っているから。免疫は、健康に欠かせない体の働きです。

病原体の種類と病気

  ウイルス インフルエンザはしか、エイズなど

  細菌 赤痢、コレラ、結核など

  真菌 白癬症、カンジタ症など

  原虫 マラリアなど

  寄生虫アタマジラミなど

自然免疫を獲得免疫(適応免疫)

免疫には、大きく分けて「自然免疫」と獲得免疫(適応免疫)」の2つの働きがあります。自然免疫は、みんなのからだの生まれつき備わっている免疫の働き。病原体が体に入ってきたら、すぐに働いて病原体をやっつけてくれます。

獲得免疫(適応免疫)は、1度体に入って気が病原体の情報を覚え、十分な準備をしてから働く免疫の仕組みです。初めて体に入ってきた病原体だと、獲得免疫はその情報を持っていないからは働けない。そこで自然免疫が病原体と戦っている間に、病原体の情報を覚え、戦う準備をします。準備が出来たら、自然免疫と一緒に戦い、病原体をやっつけます。

獲得免疫は、初めての病原体が相手だと、働くまでに時間がかかる。でも同じ病原体と再び出会ったときには、すぐに戦うことができます。なぜなら、獲得免疫は前に病原体が体に入ってきたときの情報を記憶しています。この働きを「免疫記憶」と言います。

予防接種で使われている「ワクチン」はこの免疫記憶を利用したものです。ワクチンとは、病原体の力を弱くしたり、毒素をなくしたりした薬のこと。これらを体に入れると、病気にならずに獲得免疫に病原体の情報を記憶させることができる。すると、その病原体が引き起こす病気にかかりにくくなるというわけです。

自分は攻撃しない免疫細胞

 人の体には、色々な種類の細胞からできている。免疫で働くのは、血液の中の「白血球」という細胞で、「免疫細胞」と呼ばれているです。自然免疫と獲得免疫は、この免疫細胞の働きなのです。免疫の最も基本的な仕組みは、体を作っている細胞=自分と病原体の細胞=自分以外を区別して、自分以外のものを、本当は体にいるべきではない異物と判断して攻撃すること。免疫細胞が自分を攻撃しないというこの性質を「自己寛容」という。ただし免疫細胞は、自分以外の異物で、花粉など病原体でなく害がないものであったとしても、体に入ると危険なものと判断して攻撃することもあります。

人の体にいる細菌

実は人の体には、健康な時でも様々な細菌がたくさんいます。普段は気づかないけれど、みんなの体にも、たくさんの細菌が住んでいるんだよ。こうした細菌を「常在菌」という。常在菌はとにかく腸の中にたくさんいるけど、悪い影響を与える「悪玉菌」がいます。このほかにも、善玉菌と悪玉菌のうち勢いがあるほうに味方する「日和見菌」もいる。免疫細胞には、常在細菌の数や種類のバランスをよくする働きもあります。

もし免疫がなかったら

 人は免疫によって、色々な病原体から体を守っている。もし免疫がなかったら、身の回りにいる病原体にすぐに感染して、健康を損なうことになります。免疫は、ほとんどの人に生まれつき備わっているものだけど、生まれつき免疫が十分には働かない病気もあります。また、ウイルス感染などにより免疫が正しく機能しない病もある。このような病気にかかると、健康な時なら何でもない病原体に感染して、命を落とすこともあります。人が健康に生きていけるのは、免疫のおかげなんですね。

体を守る免疫細胞

免疫の中心的な役割を担っているのが、免疫細胞。自然免疫と獲得免疫の2つのグループに分かれます。病原体が体に入り込むと、最初に駆け付けるのが自然免疫のグループ。メンバーには、マクロファージ、好中球、樹状細胞、NK細胞、マスト細胞がいます。中でもマクロファージはいち早く動き出し、病原体を食べます。好中球はとても大食いで病原菌が大好物。樹状細胞は、病原体の情報をさまざまな免疫細胞に連絡するよ。NK細胞は、ウイルスに感染した細胞を丸ごと壊せる。マスト細胞は寄生虫を体から追い出すは働きがあるだけど、アレルギーを起こしてしまうこともあるんだ。病原体の情報を手に入れ、準備してから対応するの獲得免疫のグループ。B細胞やキラーT細胞、ヘルパーT細胞がいます。B細胞は抗体を作り出して、病原体を攻撃する。キラーT細胞はNK細胞の攻撃をのがれた感染細胞を壊します。ヘルパーT細胞は、色々な免疫細胞が病原体とちゃんと戦えるように指示を出す。司令官のような存在。これらみんなが白血球で、全員が骨髄にある造血幹細胞が元なんです。造血幹細胞が成長すると前駆細胞になって、やがてそれぞれの免疫細胞に分かれていきます。

自然免疫 マクロファージ 樹状細胞 マスト細胞

顆粒球 好中球

リンパ球 NK細胞 ヘルパーT細胞 B細胞 キラーT細胞 

獲得免疫 ヘルパーT細胞 B細胞 キラーT細胞

免疫細胞の子供時代 造血幹細胞 前駆細胞

次回からそれぞれ細胞の紹介をしていこうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

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